裁判の国アメリカ。日本ではちょっと考えられないような裁判争いが頻繁に巻き起こる土地です。
理不尽なクレームで金をむしり取ろうとする寄生虫さながらの輩や、ジョークとしか思えない滑稽な主張を展開する輩がたくさんいます。ひょっとして、どれだけクリエイティブに相手を訴えられるか、競い合っているのか?と思いたくなるほど。
今回は、「ジョークだろ?」と耳を疑いたくなるようなアメリカのトンデモ訴訟事例7つを紹介します。
1.「ビールのCMが現実にならない」と企業を訴えた男
バドワイザー飲んだけど、南国にならないし綺麗な女の子も現れない!虚偽広告だ!
原告:リチャード・オーバートン
被告:アンハイザー・ブッシュ社
アメリカで1991年当時、「バドワイザーを飲めば、美しい女性や南国、いろんなファンタジーが現実に」という内容のテレビCMがありました。商品CMとしては、特に珍しい描写でもありませんよね。しかし…。
オレゴン州に住むリチャード・オーバートンさんは、このバドワイザーのテレビCMを“虚偽広告”だとして、アンハイザー・ブッシュ社に対して慰謝料1万ドルを要求する訴訟を起こしました。「バドワイザーを飲んでもファンタジーが現実にならない。嘘のCMのせいで、心的外傷や金銭的損失を負った」という主張です。

Via time.com
裁判所は、この訴えを却下しました。
この訴訟により、「女にモテたいがためにバドを飲む、切羽詰まった男」という不本意なイメージがついてしまったオーバートンさん。後のインタビューで、その真意を語りました。どうやら、当時まだ幼かった彼の息子が、「CMのキャラである犬にハマってしまった」とか。そこで、これはいけない、CMのせいで息子がアルコールの世界に引きずり込まれている、と感じ訴訟に踏み切ったそうです。
そう聞けば「ああ、なるほど…」と少しだけ思いますが、恐らく息子がお酒を飲める年齢になるころには、「CMはフィクション」だということを認識できるようになるはず。
ソース:「time.com」
2.自分自身を訴えた男
酔っぱらって犯罪を犯してしまった。これは俺の市民権に対する侵害だ。よって俺は俺を訴える!
原告:ロバート・リー・ブロック
被告:ロバート・リー・ブロック
1995年、ヴァージニア州の刑務所に服役中だったロバート・リー・ブロックは、自分に自分の市民権を侵害されたとして、自分自身に対して500万ドルを要求する裁判を起こしました。一体どういうことか?
当時彼は、重窃盗や押し込み強盗の罪で、23年の実刑判決を言い渡されていました。酒を飲んで酔っぱらったため、犯行を犯してしまったそうです。
彼の理論は:
- 酔っぱらった俺のせいで逮捕されて懲役
- その結果、俺の自由は奪われ、市民権が侵害された
- だから俺は、酔っぱらうことを許した俺に500万ドルを要求する
というもの。自分で自分に賠償金を支払えば、もちろん+-ゼロになります。「この男バカじゃないのか」と思われるでしょうが、彼の想像力がきらめきを発するのはここからです。
彼は、服役中で支払能力がないという理由から、「私を管理する州が500万ドルを肩代わりするべきだ」という主張を展開しました。もちろん、こんな無茶苦茶な理論は相手にされず、裁判所はすぐに訴えを却下しました。
ソース:「Deseret.com」
3.お化け屋敷が怖すぎると訴えた女
ハロウィン・ホラー・ナイト怖すぎ!トラウマになった。慰謝料!
原告:クリーンシ・ピータース
被告:ユニバーサル・スタジオ
お化け屋敷に行く理由は?スリルを味わいたいからですよね。
1998年、クリーンシ・ピータースというフロリダ州の女性が、ユニバーサル・スタジオを相手に裁判を起こしました。同テーマパークのお化け屋敷アトラクション「ハロウィン・ホラー・ナイト」が怖すぎたため、精神的苦痛を負ったという言い分です。

screen capture via YouTube
訴えによると、アトラクションの出口付近でチェーンソーを持ったスタッフに追いかけられ、ピータースさんは転んでしまったそうです。地面に倒れこんでいるにもかかわらず、スタッフは引き続き彼女を怖がらせようとしたらしく、それが「心的外傷」の原因になったとしています。
裁判の結果、彼女は1万5000ドルの慰謝料を勝ち取りました。
ソース:「people.com」
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おもしろー
特に一個目(笑)
でもこーゆー奇天烈な想像行動力も時には良い?