米スタンフォード大学で“人間主義の教戒師”として活動するジョン・フィグドルさんが作成した無神論者のための「モーセの十戒」が、海外のネット上でちょっとした話題になっている。
「十戒」とは、旧約聖書の中に登場する石板に刻まれた10の戒律。モーセがシナイ山で神から授かったとされている。その内容は以下の通り(ウィキペディアより抜粋):
- 神が唯一の神である
- 偶像を作ってはならない
- 神の名をみだりに唱えてはならない
- 安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ
- あなたの父と母を敬え
- 殺してはならない
- 姦淫してはならない
- 盗んではならない
- 偽りの証言をしてはならない
- 隣人の家を欲しがってはいけない
フィグドルさんは新たな十戒を作成するにあたり、ウェブサイトで一般からアイデアを募集するクラウドソーシングのコンテストを開催。合計で2800件の応募が寄せられ、審査の結果、その中から次の10個が「無神論者の十戒」に選ばれた。
- 開放的な心を持て。新たな証明がなされたときは、自らの信条を変えられる心構えを持て
- 真実であってほしいと願うものを信じるのではなく、最も真実でありそうなものを理解するように努めろ
- 自然界を理解するための最も信頼できる手段は科学である
- すべての人間には自身の体を思うように支配する権利がある
- 善人になるため、もしくは有意義な人生を全うするために神は必要ない
- 自らの行動すべてに気を配るように。そして、自らの行動には責任を持たなければならないということを認識するように
- 他人に対しては、自分がそうしてもらいたいと思うやり方で接するように。同時に他人がどう接されたいと思っているのか合理的に予想しながら接するように。他人の視点からも考えよう
- 我々には他人を思いやる責任がある。その中には未来の世代も含まれる
- 唯一正しい生き方などない
- この世界を、見つけた時よりもより良い場所にしてから立ち去ろう
この十戒の選考には、ディスカバリー・チャンネルの人気シリーズ『怪しい伝説』で司会者を務めるアダム・サヴェッジが審査員として参加した。
キリスト教系のリサーチ団体「Barna Group」が2014年に発表した世論調査によると、アメリカ人の38%が「神を信じていない」「教会に行かない」「聖書を読まない」など宗教活動に一切携わっていないとされている。また、「ギャラップ」や「 ピュー研究所」など大手リサーチ機関の調査では、30歳以下のアメリカ人の約3割が無宗教というデータが出ており、サンフランシスコやボストンといった沿海都市では45%に上った。
ソース:「Time」
[…] eStory Post より […]