上の写真は本物の段ボールでも札束でもない。なんとすべて一塊の木でできているのだ。
これはアメリカの彫刻アーティスト、ランドール・ローゼンタール(Randall Rosenthal)さんが手がけたアートワーク。ディテールにこだわりながら手彫りで少しずつ木を削り、ペイントして、約2週間かけて完成する。
木材工芸のオンラインフォーラム「Sawmill Creek」で、その制作過程が写真と共に紹介されているので覗いてみよう。
【DAY1】: 三枚の板をボンドでくっつけるところから始まる。
【DAY2】: ボンドが乾いて木の板は一つのブロックになった。
【DAY3】: ここから彫刻開始。
【DAY4】: ちょっとエキサイトしすぎて手を切っちゃったらしい。
でもここまで進んだ。
【DAY5】: 少しずつ箱に近づいていく。
【DAY6】: おおまかな形ができてきた。
【DAY7】: だいぶ段ボールっぽなってきた。
【DAY9】: 時間をかけて細かいところを修復して彫りはほぼ終了。ここから色を付けていく。
【DAY10】: もうこの時点で古ぼけた段ボールにしか見えない
【DAY11】: まずは上の方から徐々にペイント。箱の奥に埋まった札束を表現するのが最もトリッキーとのこと。
【DAY12】:
【DAY13】:札束はほぼ完成。後は段ボールに色を付けるだけ。
アップで見ると、よりリアルさが伝わってくる。
【DAY14】: ついに出来上がり!最も難しかったのは、段ボールの色を上手く表現することだったという。薄いコーティングを何度も重ね塗りしているらしい。
※ ※ ※
この作品を手掛ける1年半ほど前に、事故で右手をひどく痛めてしまったというローゼンタールさん。「神様は私に素晴らしい才能を与えてくれたが、その半分を持っていってしまった」と語る。
しかしそこで、“身体的な才能よりも、想像力と持続力が遥かに重要”だということを学んだらしい。「彫刻は、我慢強さとやり遂げる意志がすべて」とフォーラムにコメントした。
ローゼンタールさんいわく、「芸術は、最ものろまな人間が勝つことのできる唯一のレース。ルールは何もない」。
Images:「sawmillcreek.org」
参考記事:「twistedsifter.com」
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