【バスケ】1人で138得点の快挙!NCAAの最多得点記録樹立する一方でインチキだとする声も

138得点をマークしたジャック・テーラー選手

11月20日、米大学バスケ(NCAA)の試合で奇跡が起こった

NCAA3部リーグのグリネル大学対フェイス・バプテスト・バイブル大学の試合でのこと。グリネル大のガード、ジャック・テーラー選手が、たった一人で138得点を挙げるという前人未到の快挙を成し遂げたのだ。

このニュースはたちまちネット上で話題となり、Twitterの「世界のトレンド」にテーラー選手の名前が掲載されるほどに広まった。彼のツイッターアカウントには、NBAのスター選手たちからも祝福の声が届いたようだ。


スポーツ史に残る快挙


NCAA男子バスケの場合、1試合20点取れれば一流スコアラー。30点取れれば超エース級だ。チーム全体でも、100点を超えるのは稀である。それが138点というのだから、もはやゲームの世界。

この試合でテーラー選手は、108本(108!)中52本のシュートを決め、そのうちの21本は3ポイントシュートだった。彼は合計で36分プレイしたらしく、1分で3.8点、20秒に1回シュートを打ったという計算になる。

その試合のハイライトがこちら:

ダブルチームをもろともせず、シュートを決めている場面もある。従来の大学バスケ最多得点記録は113点。今回テーラー選手はその数字を大きく上回った。

すごいとしか言いようのない快挙だが、一部のバスケットボールエキスパートたちからは「インチキだ」とする声もあがっている。


138得点の快挙はインチキ!?


人気スポーツブログ「Deadspin」は、テーラー選手の快挙を“インチキ”だとし、「バスケットボールの質を貶めるもの」とまで呼んだ。このネガティブな意見の根拠は一体何なのか?

次の動画を観れば、彼らの主張が少し理解できるかもしれない:

どうだろう、大学のバスケとは思えないような展開だ。なによりもまず、ディフェンスの酷さが目立つ。

グリネル大(テーラー選手のチーム)は毎回フルコートプレスを仕掛けているが、相手チームがハーフラインを超えた時点で、誰もボールを追いかけようとしていない。もともとフルコートプレスには、「突破されると簡単に点を取られる」という特徴があるにせよ、これはあまりにも酷すぎる。テーラー選手に関しては、バックコート(自分の陣地)にすら足を踏み入れていない。

「狙うはスティールのみ。できなければさっさと相手に点を決めさせボールを取り返す」、攻撃の回数を増やすために、わざと相手チームに得点を与えているようにも見えてしまう。

さらに、スティールが成功した場合でも、ノーマークのチームメイトにボールを渡さないどころか、どフリーでもシュートにいかず、あえて3ポイントラインの後ろにいるテーラー選手にボールを回している。

▼グリネル大のボックススコア。チームのシュート合計の8割がテーラー選手によるもの

Deadspinによると、これがグリネル大コーチの“戦略”らしい

オフェンスはとにかく一人の選手にボールを集める。ディフェンスは常にフルコートプレスで、スティールを狙う。突破されても一人の選手はバックコートに戻らない。フルコートプレスは激しく体力を消耗するため、プレイヤーを頻繁に入れ替える。

実際の試合では、テーラー選手以外の4人がおよそ1分に1回のペースでローテーションしていた。グリネル大は同様の作戦で、去年にも一人の選手が89得点を挙げるという記録を打ち立てている。

試合に勝つためとは思えないこの戦略に対して、Deadspinは「中身のない記録」と強く非難。「バスケットボールを貶めることで記録を樹立させ、メディアの注目を集めようとしているだけだ」としている。

※   ※   ※

このように、今回の138得点という“記録”に関しては、人それぞれの見方があるかもしれない。ただ一つだけ確かなのは、テーラー選手の実力は本物だということだ。どんな状況であれ、普通の大学バスケマンなら仮に中学生が相手でも138得点なんて取れないだろう。

参考記事:「deadspin.com

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