Twitterが原因で逮捕、強制送還: 考慮不足の“つぶやき”が行き着く先

TWEETS no more

世界各地の警察機関がソーシャルネットワークの監視を行っているようだが、今さら驚くことでもない。ただ今回、その敏感さと狭量さに少し驚かされた。イギリス『The Sun』紙によると、ジョークのつもりで載せたツイートが原因で、あるイギリス人のTwitterユーザーが、アメリカ入国の際、DHSにより拘束され、長時間の尋問の末、強制送還される羽目になったという。

Twitterでも過激なジョークはタブー

騒動が起こる数週間前、問題の男Leigh Van Bryanさんは、アメリカ旅行を前にテンションが上がったのか、突然「アメリカを破壊する(destroy America)」というツイートをした。

それ以前にも彼は、「LAでマリリン・モンローの墓を掘る!!」といったニュアンスのツイートを行っている。10年近く前にテロの大惨事を経験したアメリカ当局の立場からすると、「アメリカを破壊する」などというメッセージはただ事ではない。

LAに着いて間もなく、Bryanさんは空港職員によって拘束され、5時間以上に渡り尋問を受けた後、手錠を掛けられ不法入国者らと共に護送車に押し込められた。そのまま留置所へ連行され、そこで一泊。次の日、釈放されると同時に飛行機に乗せられ、イギリスへと送り返された。最悪のバケーションとなったわけだ。

Bryanさんは新聞のインタビューで、「まるでテロリストのような扱いをうけた。思ってるような意味じゃないと何度も説明したけど、無駄だった」と語った。

twitter barred user▲問題のツイート。下は米当局の公式文章

米当局は、事件についてこんな発表をしている:

「Bryan氏は、当人のTwitterアカウントに『マリリン・モンローの墓を掘るためにアメリカ合衆国に入国する』という投稿を行ったことを認めた。また、『アメリカを破壊する』という投稿を行ったことも認めた。」

事件後、BryanさんはTwitterの公開設定を「非公開」に変えたようだ。行き過ぎたジョークがどういう結果をもたらすのか、身にしみて分かったのかもしれない。

つぶやきが原因で前科一犯

近年、何気ないツイートが災いして、ユーザーが窮地に立たされる例が増えている。なかでも有名なのは、2010年にイギリス人ユーザーのツイートが巻き起こした事件で、見事地元紙の一面を飾った。

Paul Chambersさんは、悪天候のため自分のフライトがキャンセルになるのではないかと不安になり、その苛立ちからこんなツイートを投稿した:

「ちくしょう!ロビンフッド空港が閉まってるって!1週間以内に何とかしないと、空港を吹き飛ばすからな!」
“Crap! Robin Hood airport is closed. You’ve got a week to get your shit together, otherwise I’m blowing the airport sky high!!”

このツイートを「脅威」だと受け取った誰かが警察に通報し、Chambersさんは「テロ行為の疑い」で逮捕された。裁判の結果、「公共の通信ネットワークを使って、攻撃的、威嚇的、かつ不適切なメッセージを発信した」として実刑判決が下り、£1000ポンドの罰金が課せられた。

Chambersさんは上訴を申し立てたが、裁判所が判決をひるがえすことはなく、些細なつぶやきが原因で前科者のレッテルを貼られる結果となった。この事件を受け、多くのTwitterユーザーはChambersさんのサポートにまわり、罰金を肩代わりするというユーザーまで現れたようだ。

今回のTwitter騒動をどう捉えるべきなのか、いまいち判断が付かない。単純にユーザーがバカだったのか、それとも法律機関が厳しすぎるのか?どちらにせよ、行き過ぎたツイートには気をつけたい。「誰からでも見れる(警察を含め)」という事実を常に意識しなくては。

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