米オハイオ州で女性3人が10年に渡り監禁されていた事件で、被害者を救出した男性がインターネット上で一躍有名人となっている。
男性の名はチャールズ・ラムジーさん。報道によると、自宅で食事をとっていたラムジーさんは、隣家から助けを求める叫び声に気づき、ドアを蹴破って女性と児女を助け出したという。なんとその女性は、10年前から失踪していたアマンダ・ベリーさんだった。
通報で駆け付けた警察は、ベリーさんほか2人の女性を保護し、住人のアリエル・カストロ容疑者を拉致・監禁などの容疑で逮捕した。
被害者救出後、ラムジーさんは現場に詰め寄せた報道陣に対し、「かわいい白人の女の子が黒人男の腕に飛び込んできたんだぜ。これは何かただならぬことが起こっているってわかったよ」と、救出の様子についてユニークな語調でコメント。そのインタビュー映像はYouTubeやTwitter上でまたたく間に話題を集め、ラムジーさんは一夜にして全米が注目する有名人となった。
▼インタビューに答えるラムジーさん
ネットセンセーションに
この日、多くのネットユーザーたちから「彼こそ本物の英雄だ」といった称賛の声が寄せられた。また、ラムジーさんが911通報やインタビューの際に「マックを食ってたら…」と発言したことから、マクドナルドの公式Twitterアカウントが「ラムジーさん、よくやった。じきに連絡します」というメッセージをツイートしている。
We salute the courage of Ohio kidnap victims & respect their privacy. Way to go Charles Ramsey- we’ll be in touch.
— McDonald’s Corp.さん (@McDonaldsCorp) 2013年5月7日
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さらに後日、話題のニュースを“オートチューン化”することで有名な米バンド「グレゴリー・ブラザーズ」が、ラムジーさんのインタビュー映像をポップな楽曲に編集してYouTubeに公開。こちらも公開から1日で再生回数100万回を超える話題動画となった。
▼『Dead Giveaway』
報奨金は全部被害者に
全米がこぞってラムジーさんを英雄視する中、当の本人は「そうじゃない」と謙虚な姿勢をみせる。ラムジーさんはCNNの取材で、「去年の時点で救えていたと思うんだ。こんなヒーロー的な感じじゃなくて」と、もっと早く気づけなかった悔しさを表した。
ヒーロー扱いされていることについて尋ねられると、「いや、ちがう。俺はクリスチャンでアメリカ人だ。あんたと同じようにね」と語った。
「みんな同じ色の血を流し、同じようにズボンを履く。ただ、“他人事には関わりたくない”という臆病な姿勢を捨てなくちゃならないんだよ」
また、インタビュアーがFBIから報奨金が出ていることを伝えると、ラムジーさんは「被害者たちにあげてくれ」と即答。「俺には仕事があるからね」と言いながら、ポケットから受け取ったばかりの給料小切手を取り出し、インタビュアーに見せつけた。
ラムジーさんは現在、地元レストランで皿洗いとして働いている。「AFPBB News」によると、レストランの常連客たちは、ラムジーさんの時給を上げてやってくれと訴えているそうだ。
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