エジプト南東部の都市ルクソールで、約3000年前のものと思われる古代エジプトの墓が新たに発見された。中からは、木製の棺や骸骨、カノプス壺などが出てきたという。
墓が発掘されたのは、古代エジプト第18王朝の7代ファラオ、アメンホテプ2世(在位:紀元前1427年-1400年)の墓地遺跡の敷地内。エジプト考古庁によると、今回発見された墓は、エジプト第三中間期の紀元前1075年~664年頃に建てられたものだと推測される。
発掘を指揮したのは、イタリアの考古学者アンジェロ・セジャーナ博士(Angelo Sesana)。今回の発見について博士は、「全く予期していなかった」とイタリアのニュースメディアに語った。
古代エジプトのカノプス壺
墓から出てきた木製の棺は赤と黒のインクで装飾が施されており、その中には骨の残骸が残っていた。その他にも、石灰石や焼成粘土で作られたカノプス壺と呼ばれる容器が12個ほど発見された様子。カノプス壺は、古代エジプトで死者の臓器を保存するために使われていたと考えられている。
今回発見されたカノポス壺の蓋部分は、太陽神ホルスの4人の息子たちのいずれかの形をしているという(下写真)。
- イムセティ (Imsety) は人間の姿をしており、肝臓を守る
- ハピ (Hapi) はヒヒの姿をしており、肺を守る
- ドゥアムトエフ (Duamutef) はジャッカルの姿をしており、胃を守る
- ケベフセヌエフ (Qebehsenuef) はハヤブサの姿をしており、腸を守る
セジャーナ博士によれば、いくつかの壺は身元不明の女性の墓から発掘されたらしい。エジプト学者のWafaa El Saddik氏は、「壺のクオリティーが非常に高いことから、墓は身分ある女性のものだと考えられる」とBBCに語った。
考古庁によると、出土品はルクソールの倉庫に搬送され、メンテナンスや修復作業を施した後、博物館に展示される予定だという。
画像:「Egyptian Antiquities Minister:Facebookページ」
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