今年3月に、米メリーランド大学で大規模な顔面移植手術を受けたリチャード・リー・ノリスさん。手術から6ヶ月たった今、見事なまでに回復した彼の顔写真が公開され、注目が集まっている。
事故と顔面移植手術
1997年、ノリスさんは銃の事故により、上下両唇と鼻そして歯を失った。再建手術を含め、複数回の手術を受けたが、口の機能は制限され、顔面の下半分と鼻は潰れてしまってたまま。事故以来ノリスさんは、世捨て人のような生活を送り、外出するときは、医療用マスクを着用して周囲の目を避けながら暮らしていたそうだ。
ノリスさんは3月、メリーランド大学メディカルセンターで、約36時間にも及ぶ顔面移植を受けた。頭皮から首までの顔面全ての軟組織と、知覚および運動神経を移植した超大規模な手術だ。執刀した医療チームは、「これまでで最も広範囲にわたる顔面移植手術だった」としている。
手術から約半年、新たに公開されたノリスさんの写真をみると、髪の毛が生えそろっており、相当きれいな見た目になっている。顔の感覚も戻り、歯を磨いたり髭を剃ったりできるまでになったらしい。さらに事故以来失っていた嗅覚も取り戻しつつあるようだ。
「見た目の美しさを得ることと機能の回復」を目的とした顔面移植手術は、今のところ大成功といえる。ノリスさんは近況について次のように語った:
人とすれ違ってもジロジロと見られることがなくなった。私の友人たちは、家庭を築いたり、キャリアを積んだり、とっくにそれぞれの人生を歩んでいる。ようやく私も、新たな人生を始めることができる
人を幸せにできる医療技術の発展は素晴らしい。
ソース:「nbcwashington.com」
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