今年、何かと世間を騒がせたハッカー集団「アノニマス」が、以前から予告していた”クリスマス・ウィーク・ハック”を開始した。AP通信が報じている。
最初の餌食となったのは、米テキサス州の民間情報機関Stratforだ。アノニマスは、この情報のスペシャリストから、メールやクレジットカードなどの個人情報を大量に盗み出したという。
事件に関与したと思われる者からの情報によると、盗んだクレジットカード情報を使って100万ドルをクリスマス・チャリティーに寄付するのがハッキングの目的だったようだ。Twitterには、寄付があったことを証明するレシートの写真が投稿されていた。
25日、グループの一員と思われるTwitterハンドル名「@YourAnonNews」が、今回のハッキングについてツイートしている。カード情報の窃盗に成功した理由として、データの一部が暗号化されていなかったことを指摘。情報管理のプロであるはずのStratforは、思わぬ失態を晒すこととなった。AP通信によると、Stratforが厳重に保護(?)する情報リストには、米空軍やマイアミ警察署などの機密データも含まれているという。
被害者の1人であるAlan Barrさんは、AP通信から事件についてのコメントを求める電話があるまで、彼のクレジットカードが使われていたという事実に気が付かなかったという。
彼はインタビューで、
「引き出された金額は、すべてチャリティーに送られていた。”赤十字”や”CARE”、”セーブ・ザ・チルドレン”なんかだよ。妻がクレジットカード会社から電話を受け取ったとき、私が寄付していると思ったそうだ」
と語った。
@YourAnonNewsは、すでに次のターゲットをTwitter上で予告。その中には、ジャスティン・ビーバーやレディー・ガガなど有名人たちが名を連ねていた。
アノニマスは、組織化されたグループというよりも、誰でも参加できる匿名の集合体(集合的無意識)ともいうべき存在なので、責任者の特定が難しい。とにかく、これからの動きに注目していきたい。
「いじめられ役」とグルで新たな募金詐欺が出て来そうだな