海外掲示板で見つけた、ちょとだけ背筋がゾクッとする怪談話6つ

怪談話

夏の風物詩ともいえる怪談話大会は、もちろん日本だけの風習じゃない。

今年もとにかく暑い日が続いています。そこで今回は、海外の掲示板で見かけた、ほどよく涼しくなれそうな怪談話を6つご紹介。基本的に、幽霊や呪い系の話はありません。いずれも“ちょっとだけ奇妙な話”です。

1.悪夢

ドアの向こう

私の祖母は、幼いころからずっと同じ悪夢に悩まされていました。その悪夢はいつもこんな感じでした:

長い廊下をひたすら歩く。とても長くて暗い廊下を。廊下の奥までたどり着き、左を向いてひとつのドアを開ける。そのドアの向こう側で恐ろしい何かを目にする…

ドアの向こうにあるものが一体何なのかハッキリと分かる前に、いつも目が覚めてしまっていたそうです。

そんな祖母が40代になった頃、彼女の夫(私の祖父)と子供2人(私の父と叔母)の4人で家族旅行に出かけました。予約なしでホテルに駆け込んだため、離れた2部屋しか借りることができなかったそうです。

その夜、私の父は午前3時にふと目を覚ますと、なにやら異様な雰囲気に気がつきました。暗闇のなかで「父さん?」と呼びかけましたが、返事がありません。

ランプの灯りをつけ、もう一度大きな声で「父さん」と呼びかけました。やはり返事はありません。心配になり、ベッドから起き上がって祖父の体を揺すりましたが、一向に目を覚ましません。

私の父は祖母の部屋まで走っていき、激しくドアをノックしました。祖母が恐る恐るドアを開けると、私の父は叫びました:「父さんがおかしいんだ!」

祖母は部屋を飛び出し、廊下を駆けるように歩きました。とても暗くて長い廊下です。そして廊下の奥までたどり着き、左を向いてドアを開けました。そこにはベッドに横たわった祖父の亡骸がありました。死因は心臓発作です。

この日以来、祖母が再び同じ悪夢を見ることはなくなったそうです。

photo by visualdensity via Flickr


2.戦後、ベルリン

戦後のベルリン

第2次大戦直後のベルリン。みんな貧乏で食料の配給もギリギリ、誰もが飢えに苦しんでいたような時代だった。

そんな混乱期のベルリンである日、少女は杖をつきながら人ごみの中をたよりなく歩く盲目の男を見かけた。少女はなんとなくその男に話しかけてみた。すると盲目の男は、「ちょっと頼みごとがあるのだがいいかね?」、と少女に問いかけた。

この封筒をあるお宅まで届けてくれんかね?

届け先がちょうど帰り道の途中だったので、少女はその仕事をこころよく引き受けることにした。「暗くなってきたから急ぐんだよ」と盲目の男は封筒を手渡しながら少女に告げる。少女は「わかった」とうなずいて走り始めた。

少し進んだところで、少女はふと思った。「おじさんは目が見えないのに、どうして暗くなってきたのがわかったんだろう?」

振り返ってみると、先ほどの男が杖を使わずに人ごみの中をスイスイ歩いていくのが見える。違和感を覚えた少女は、近くにいた警察官に手紙を渡し、事情を説明した。

不審に思った警察が封筒の住所を訪れてみたところ、身の毛もよだつ事実が発覚した。なんとそこでは、3人の肉屋が人間を切り刻んで、貧しいベルリン市民に売っていたのだ。

封筒の中身は一体何だったのだろう?そこには1枚の手紙が入っており、短い文章でこう書かれていた:

今日はこいつで最後だ

Image:i.imgur.com/RkwEGJJ.jpg


3.携帯電話の呼び出し音

携帯電話

短めのやつね。

「バージニア工科大銃乱射事件」を覚えてるでしょ?その現場にたまたま居合わせた人と話したことがあるんだよ。事件直後はどんな様子だったのか聞いてみたんだが、犠牲者の死体が血まみれで転がってて、とにかく地獄のような光景だったらしい。

でもね、その人がなによりもゾッとしたのは、死体の隣で鳴りつづけてた携帯電話の着信音なんだって。犠牲者の家族や友達が安否を確認したくてずっと電話してたんだよ。そのことだけが、今でも頭から離れないらしい。

↑もっと悲しい話を知ってる。
アメリカでは、消防士はみんなアラームを持たされるんだ。特定の時間(例えば1分)、一つの場所から動かなかった場合に鳴るやつね。怪我して動けないとか、気を失ってるとかを、他の消防士に知らせるためのものだよ。

それでいつだったか、一度YouTubeで9・11の現場(ワールド・トレード・センター)の映像を見たことがあるんだ。タワーが倒壊してからしばらくすると、アラームが一斉に鳴りはじめたんだよ。すごく悲しくてゾッとした。

Thumbnail by mrhayata via Flickr


4.ひとりキャンプ

ひとりキャンプ

私の女友達に自然マニアの人がいるんです。ひとりで山に出かけて行って、何日もキャンプするような。

ある時、その子がいつものように一人でキャンプに行ったんですね。何事もなく無事に帰ってきましたよ。それで後日、カメラを現像に出したんです。そしたら、その中に彼女がテントで寝ている写真が3枚あったんですって。

Thumbnail by ross_vernal (Scottish Dream Photography)


5.サトウキビ畑

サトウキビ畑

僕の祖父母は、ルイジアナ州南部にある小さな町で生まれた。2人とも、ヘルシーなリスのシチューを食べ、土地特有の民話を聞かされながら育った、典型的なケイジャン人だ。

新婚の頃、2人はサトウキビ畑の近くにある小さな家で暮らしていた。畑の向こう側には、彼らの住む質素な町の住民のほとんどが通うカトリック教会があったんだ。僕の祖父母は、昼間にその教会に通うことを習慣づけていたんだけど、なにしろ2人の家からはかなりの距離があってね。でも、サトウキビ畑を横切れば、すごく近道になったんだ。

それである夜、何かしらの事情で、2人は夕方のミサに参加することになったんだ。太陽が地平線の彼方に沈んでいくのを尻目に、2人は教会に向かった。

ミサが終わって、2人が教会から出ると、あたりはすでに真っ暗闇だった。仕事疲れでクタクタだった2人は、少しでも早く家に帰りつくため、サトウキビ畑を横切ることに決めた。

コオロギの鳴き声で溢れる、背丈ほどのあるサトウキビの海を、2人はザクザクと掻き分けていく。月の明かりは薄暗く、ほとんど何も見えない。2人は、音をたよりに手さぐりで進んでいくしかなかった。

暗闇の中でサトウキビ畑を突き進むのは、想像以上に骨の折れる作業だった。祖父が一息つくために立ち止っていると、祖母が後ろからぶつかってきた…。と次の瞬間、2人は凍りついた。少し遠くから、もうひとつの足音が聞こえたからだ。 2人はしばらく固まったまま、サトウキビを踏みにじりながら近づいてくるドシンとした重い足音に耳を澄ませた。

祖父はゆっくりと歩きだし、すぐ横に祖母が続いた。突然現れた謎の侵入者を刺激したくなかったのだ。

だが祖母はすぐに侵入者の奇妙な歩行パターンに気がついた。突然の恐怖が彼女の体を襲った。たまらず祖母は走り出した。すると、後ろの足音も同じくペースを速めた。その音を聞いた祖父も走り出した。こんなところで得体の知れぬ侵入者に捕まるわけにはいかない。

5分ばかり全力で駆けた後、2人はようやくサトウキビ畑を抜け、家の前にたどり着いた。ドアのところまで飛んでいき、震える手で鍵を開けようとした。その時、サトウキビ畑から大きな影が飛び出した。4足で歩いているように見える。

そのまま影がドアめがけて走り出した瞬間に、ようやく家の鍵が開いた。ドアを開けると、2人は外にいた番犬と一緒に中に飛び込み、すぐさま鍵をかけた。彼らが飼っていた犬は猟犬で、普段はとても勇敢だが、このときばかりはまるで小型犬のようにおびえきっていたそうだ。

ドアがガタガタと揺れる。“なにか”が外でドアを叩いきながら引っ掻いている。祖父は野生動物か何かだろうと考えていた。が次の瞬間、ドアノブがゆっくり回り始めた。外にいるのは“なにか”ではない。知性を持った“何者か”がノブを回してドアを開けようとしているのだ。

しばらくするとドアノブを回そうとする動きは収まったが、まだ外からはガサゴソと音が聞こえる。祖父はライフル銃に弾を込め、一晩中ドアの前に立つことにした。

太陽が昇り始め、あたりが明るくなると、音は自然と止んだ。そして祖父が外に出てみると、ドアには大きな傷跡が残っていた。

「私は若いころ、サトウキビ畑でRougarou(ケイジャンの狼男)に追いかけられたんだよ」、と祖母は何度も僕にこの話を聞かせてくれた。

Thumbnail by . Shell via Flickr


6.7人目の手

7つ目の手

6人の男女が洞窟の中を歩いていた。洞窟の中は真っ暗闇で何も見えなかったが、ただまっすぐ進むだけだったので、6人は手をつないで一列に歩くことにした。

しばらくすると、一人の男が集団からはぐれかけてしまった。彼の手を握っているのは左側の人だけだ。

やがて先のほうに明かりが見え、出口が近いことがわかった。出口では、他の5人が彼の事を待っているのが見える。その瞬間、男がつないでいた手はスッと闇に消えていった。

Thumbnail by Valerie Everett via Flickr

ソース:What’s a story that you’ve heard that still gives you chills to this day?

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