全長8000km以上、東端の遼寧省虎山から西端の甘粛省嘉峪関遼にわたり城壁が立ちそびえる万里の長城。誰もが知る世界的に有名な歴史的建築物のため、常に観光客で混雑しているイメージだが、観光スポットを離れると未修復の箇所もあり、まったく人が寄り付かない場所もたくさんあるらしい。
以下は、2年ほど前に画像共有サイト「Imgur」に投稿され話題となった万里の長城の写真とハイキング体験談。投稿主は、城壁をつたって別の村まで行けるという情報をガイドブックで知ったらしく、水をほとんど携帯しないまま、2日に及ぶ無謀な単独トレッキングに挑戦したそうだ。
スタート地点:
とても蒸し暑い日だったらしい。
この渓谷では、水を見つけることができなかった。この時点で、投稿主は深刻な問題に直面していることに気が付く。それでも引き返さずに、先に進む選択をした。投稿主は、喉が渇いていると、合理的に考えられなくなるらしい。
ここから先は、修復されていない城壁が続く。
歩いているうちに、投稿主は近くの村まで降りて行って、水分をするのが必要不可欠事項だということを悟る。すでに汗をほとんどかかなくなっており、気分は最悪。今にも倒れそうな状態だったが、ここで休んでしまうと立ち上がれなくなると思い、そのまま村を目指したそうだ。
村に着くと、投稿主は道端に落ちている空ペットボトルを可能な限り拾い集め、水道水で満たし、携帯していた浄化用のケミカルで飲み水に変えた。トータルで8.5リットルの水分を確保。トレッキングの再開だ。
夕方ごろに万里の長城に戻ると、投稿主は突然の激しい雷雨に襲われる。
とりあえず、塔の中に避難。
すでに辺りは暗かったため、ここで一夜を過ごすことに決めた。
翌日は、気温の上がらない早朝からハイキングスタート。ここで投稿主は、水分の続く限り歩いて行こうと決めたが、同時に次の村までたどり着くのは不可能だと悟った。ただ幸運なことに、塔の中で2リットルの水ボトルを発見したらしい。
ここまで来ると、道幅は随分と狭くなり、ゴミなども一切落ちていない。ここまでやってくる人間はほとんどいないのだ。もちろん周囲には誰もいない。
目の前には、もはやトレイルと呼べぬ険しい崖。投稿主にクライミングの経験はないが、ここを越えなければ先に進めない。不安定な階段や岩場を恐る恐るよじ登っていった。
投稿主いわく、この時の崖登りがこれまでの人生で一番怖い経験だったという。何しろ携帯電話すら持っておらず、足を滑らせて骨折でもしようものなら、高い確率で死んでしまうことになる。
それでも、しっかりと自分撮りは忘れず。恐怖に縮み上がる自分の顔を見てみたかったらしい。
崖を登りきったところで昼食。メニューは、パンとペンギン・ソーセージ。下方にトレイルコースが見えたらしく、投稿主はここでそろそろ山を下りようと決断する。
万里の長城を離れて、獣道を辿り、一般道路を目指す。トレイルはほとんど使われていないらしく、ルートがわからないほど草木が生い茂っている。投稿主はここで3度転んだらしい。
投稿主は、何とか山を下りて道路を発見し、そこからバスを乗り継いで、無事北京の地下鉄駅までたどり着いたという。遭難する可能性大の、何とも危険な万里の長城ハイキングだった。
参考:「Imgur」
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