タブレットPCやスマートフォンの爆発的な普及に伴い、米国で「紙から電子」へのシフトが、いよいよ本格化しつつある。米国出版者協会(AAP)の最新レポートによると、電子書籍の売上額が、ついにハードカバー(上製本)の売り上げを上回った。
2012年第1四半期(1月~3月)の一般電子書籍のセールスは、2億8230万ドル。昨年同時期から28.4%上昇している。それに対し、一般ハードカバーのセールスは、昨年に比べ2.7%上昇したものの、2億2960万ドルにとどまった。
また、オーディオブックの売り上げも順調に伸びており、前年同期比で32.7%の上昇をみせた。
一般書籍売上(米国) | |||
YTD2012 | YTD2011 | 増減率 | |
ハードカバー | 2億2960万ドル | 2億2350万ドル | +2.7% |
ペーパーバック | 2億9980万ドル | 3億3500万ドル | -10.5% |
オーディオブック | 2500万ドル | 1880万ドル | +32.7% |
電子書籍 | 2億8230万ドル | 2億2040万ドル | +28.4% |
一方、ペーパーバック(文庫本や新書版など)のセールスは2億9980万ドルで、依然としてトップ。とはいえ、前年同期比で10.5%下落しており、電子書籍がペーパーバックを追い越すのも時間の問題だと思われる。今回のレポートは、米国出版業者1,189社の売上データを合計したもので、子供向け書籍のデータは含まれていない。
米Amazon.comでは、すでに去年5月の時点で、電子書籍の販売数が紙媒体を上回っている。日本で同様のシフトが起こるのは、何年後になるだろうか?
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