最も危険なアメリカの刑務所ギャング6つ

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刑務所ギャングby gregorfischer.photography via Flickr

さまざまな分野で世界一のアメリカは、刑務所人口でもナンバーワン。BBCよると、アメリカの入所受刑者の数は約220万人で、人口10万人あたり約730人が塀の中で暮らしている。この比率は世界でもダントツで、日本の約12倍だ(日本は10万人あたり62人)。

アメリカの刑務所は極めてバイオレンスな世界。外の世界以上に人種間の亀裂が深く、白人系、黒人系、ヒスパニック系に分かれてお互いを敵視し合っている。他の人種と交わらないというのがアメリカ刑務所の暗黙ルールのひとつだ。

そんな環境下で他の人種から自分たちの身を守るため、古くから数々のギャンググループが結成されてきた。なかでも特に大規模で凶悪とされるプリズン・ギャングを以下にまとめてみた。万が一アメリカの刑務所に入れられるようなことがあれば、これらのグループには気を付けよう。


1.アーリアン・ブラザーフッド Aryan Brotherhood(AB)


アーリアン・ブラザーフッド1

  • メンバー: 約2万人
  • リーダー: バリー・ミルズ、タイラー・ビンガム
  • 人種: 主に白人
  • ライバル: ブラック・ゲリラ・ファミリー

数あるプリズン・ギャングの中でも最も凶悪で危険とされるグループ。1964年にサン・クエンティン州立刑務所で誕生した。刑務所内外で約2万人のメンバーがいるといわれている。

その名前からも完全白人至上主義のギャングとされることが多いが、実際はそれほど排他的ではない。その証拠に元リーダーのマイケル・トンプソンはインディアンの血が入っており、「副官」のタイラー・ビンガムはユダヤ系だ。

 ▼リーダー格とされるタイラー・ビンガム(左)とバリー・ミルズバリー・ミルズ

もともと刑務所内の黒人勢力に対抗するために結成されたが、徐々に大規模な犯罪組織へと成長していった。収入源は、ドラッグの密売や製造、殺し屋、銃の売買など。刑務所内でも、賭博や「パンクス」と呼ばれる男売春の斡旋を取り仕切ろうとしている。

アーリアン・ブラザーフッドは「ブラッドイン・ブラッドアウト」という血の掟を敷いている。メンバーになるには殺人を犯すことが条件で(ブラッド・イン)、脱退できるのは死んだ時だけ(ブラッド・アウト)。

アーリアン・ブラザーフッド2

FBIによると、ABのメンバーは刑務所人口の1%ほどだが、刑務所内で発生した殺人の26%に関与しているという。黒人系ギャング「ブラック・ゲリラ・ファミリー」に対抗するため、メキシコ系ギャングの「La Eme(メキシカン・マフィア)」と協定を結んでいる。

ScreenShot:YouTube


2.メキシカン・マフィアMexican Mafia(La Eme)


メキシカン・マフィア1

  • メンバー: 400人(関係者1000人以上)
  • 人種: メキシコ系アメリカ人
  • ライバル: ブラック・ゲリラ・ファミリー、ヌエストラ・ファミリア

1950年代にカリフォルニア州の刑務所で誕生。LAのヒスパニック系ストリートギャング13名が立ち上げた、最も古く影響力のあるプリズン・ギャングのひとつ。“13”という数字ををグループのアイデンティティとしている(Mexican Mafiaの「M」が13番目のアルファベットだから)。

グループに入るには、忠誠心を示すため殺人や強盗などの重犯罪を犯す必要があり、脱退する唯一の方法は死ぬか殺されるか。

メキシカン・マフィアには鉄の掟があり、これらを破ったメンバーは大抵の場合処刑されることになる: 「警察への情報提供」、「ホモセクシャル行為」、「臆病」、「他のメンバーへの無礼(メンバー同士の争いや恋人に手を出す行為)」などが御法度にあたる。

メキシカン・マフィア2

主な収入源は、賭博や売春、麻薬の販売。刑務所の中からLAのメキシコ系ストリートギャングを取り仕切り、メキシコの麻薬カルテルとも深いつながりがあるといわれる。

「ブラック・ゲリラ・ファミリー」や「ヌエストラ・ファミリア」など他のギャングに対抗するため、アーリアン・ブラザーフッドと協定を結んでいる。

ScreenShot:「YouTube


3.ブラック・ゲリラ・ファミリーBlack Guerrilla Family(BGF)


ブラック・ゲリラ・ファミリー2

  • メンバー: 100~300人(関係者-数千人)
  • 人種: 黒人
  • ライバル: アーリアン・ブラザーフッド、メキシカン・マフィア

1966年にカリフォルニアのサン・クエンティン州立刑務所で誕生。ブラック・パンサー党の幹部ジョージ・ジャクソンが立ち上げた。最高指導者と中央委員会により統率される組織化されたギャング団で、主な活動拠点はカリフォルニア州やメリーランド州など。

数あるプリズン・ギャングの中でも最も政治的思想が強いグループで、マルクス主義、反政府主義を掲げている。

ブラック・ゲリラ・ファミリー

ブラック・ゲリラ・ファミリーの主な収入源は、メキシコの麻薬密輸ルートで得たコカインや大麻の売買。また塀の外でも、殺人やドライブ・バイ・シューティング、強盗、車両窃盗などあらゆる犯罪に関与している。

90年代に一時弱体化したが、クリップス(Crips)やブラッズ(Bloods)といった黒人系のストリートギャングと手を組み、刑務所内外で再び勢力を拡大している。刑務所内での友好組織はメキシコ系のヌエストラ・ファミリア

Image:「justice.gov


4.ヌエストラ・ファミリアNuestra Familia(Norteños)


ヌエストラ・ファミリア

  • メンバー: 250人(関係者1000人以上)
  • 人種: メキシコ系アメリカ人
  • ライバル: メキシカン・マフィア

北カリフォルニア地域のメキシカン・アメリカンギャングで構成されるグループ。1968年にフォルサム州立刑務所で誕生した。Nuestra Familiaは「我々の家族」という意。刑務所外での影響力も大きい。

他のギャング同様「ブラッドイン・ブラッドアウト」を掟としており、基本的にメンバーは殺人犯や強盗犯など凶悪犯罪者ばかり。抜けようとする者はたとえ幹部であっても暗殺される。

ヌエストラ・ファミリア1

ヌエストラ・ファミリアの主な収入源は麻薬取引と売春斡旋で、刑務所の中から北カリフォルニアのストリートギャング「Norteños」を指揮している。南カリフォルニアを牛耳る同じメキシカン系の「メキシカン・マフィア」とは誕生当初から敵対関係にある。

Image:「Discovery


5.ニェータÑeta


ニェータ

  • メンバー: プエルトリコ-7000人、アメリカ-5000人
  • 人種: ヒスパニック
  • ライバル: ヌエストラ・ファミリア、クリップス(ストリートギャング)

70年代に米国自治連邦区プエルトリコの刑務所で誕生したギャング。80年代後半にはアメリカ東海岸に進出し、現在は数万人規模の巨大ギャング団に成長した。

ニェータの収入源は麻薬売買。コカインやクラックにはじまり、LSDやMDMA、覚醒剤、PCPなど、あらゆる種類のドラッグを取り扱う。主な活動拠点は、アメリカ北東部。

Image:「YouTube


6.テキサス・シンジケート Texas Syndicate(TS)


テキサス・シンジケート3

  • メンバー: 1300人(関係者1万人以上)
  • 人種: メキシカン(移民系)
  • ライバル: アーリアン・ブラザーフッド、メキシカン・マフィア

1970年代にフォルサム州立刑務所で誕生。カリフォルニアの刑務所で、「アーリアン・ブラザーフッド」や「メキシカン・マフィア」などの他のギャングからテキサス州出身の囚人を守るために作られた。

人種はメキシコ系。「メキシカン・マフィア」や「ヌエストラ・ファミリア」が主にメキシコ系アメリカ人で構成されているのに対して、テキサス・シンジケートはネイティブのメキシコ人がほとんどだ。国境を越えて活動することが多いため「ボーダー・ブラザーズ」と呼ばれることもある。多くのメンバーが忠誠心を示すため「TS」(イニシャル)のタトゥーを入れている。

テキサス・シンジケート

最大の収入源は麻薬密輸。メキシコの麻薬組織「ロス・セタス」とも強いつながりがあるとされる。またテキサス・シンジケートは税金制度(Dime)を設けており、仮釈放中や刑期を終えたメンバーは収入の10%をチームに納めなくてはならない。

ソース:「Department of Justice

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