SNSの素晴らしき活用法その2: 「Twitterでホームレスを脱出しました!!」

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皆さんはこれまでに、SNSがきっかけで人生が180度変わったという人に出会ったことはありますか?「失言・失態→炎上→晒し者」という転落コースではなく、いい方向に変わった人です。

今回、米ニュースサイト「DailyHerald」が、SNSで人生を立て直したある女性について報じていました。Twitterを使ってビジネスを成功させたという話はいくつも聞いたことがありますが、ホームレス生活を脱出したという話は聞いたことがありません。

Twitterでホームレス生活を脱出

シカゴ在住のAnnMarie Walshさんは、5年以上に渡る長いホームレス生活の経験者だ。もともとWalshさんは、幼いころに受けた虐待が原因で、心的外傷後ストレス障害に苦しんでいた。 さらに、リウマチなどの問題も抱えており、できる仕事も限られていたようだ。

彼女がホームレスになった直接の原因は、離婚と失業。それ以来頼れる人もなく、文字通り路頭に迷う生活を送ることになったという。

ホームレス生活が4年目に突入したあたりで、彼女は公共図書館のコンピューターから、定期的にTwitterを使い始めるようになる。ツイートを始めた理由は、ホームレス生活の実情ついて皆に知ってもらうためだ。また、ホームレスに対する偏見やステレオタイプ、それによって生じる誤解を消し去るためでもあったという。

地道な努力が転機に

Walshさんは、地道にTwitter活動を続けていった。主なツイートの内容は、自身の経験に基づくホームレス生活の内情について。個人的な悩みから、配給食の献立、腹が立ったこと、路上生活での恐怖体験まで、あらゆることをつぶやいていった。現役ホームレスからのリアルなツイートは、少しずつ注目を集め、それに伴い彼女のフォロアーもどんどんと増えていくことになる。

しばらくすると、Facebookで再開した高校時代の同級生や、Twitter投稿から知り合った面識のない他人まで、いろいろな方面からWalshさんへの支援が届くようになった。そしてついに、フォロアーの1人が救いの手を差し伸べ、Walshさんは仮住まいを見つけることができ、晴れてホームレス生活に終止符を打つことができたのだ。

多くの人が、ホームレスは薬中やアル中、犯罪者のようなものだと思っているでしょう。」とWalshさんは語る。彼女によれば、その考え方は決して真実ではない。最近のホームレスの中には高学歴の人もたくさんいて、不景気のために失業し、ホームレス生活を余儀なくされているというケースも多いようだ。

時にはホームレスの人とじっくり話す機会を作って、彼らのストーリーを理解することも必要だと彼女はいう。

「政治家やニュースなど第三者からではなく、直接ホームレスの人たちから話を聞くことが大切です」

今の自分にできること

現在Walshさんは、SNSでホームレスの内情を訴えるだけではなく、ホームレスをサポートする側にも回っている。ホームレス・シェルターの情報を確保したり、ホームレスの仕事探しを手伝ったりと多忙な日々を送っているようだ。また、自身のWebサイトを通して、募金活動も行っている。Walshさんは、他のホームレスたちにも、彼女と同じようにソーシャルメディア活動を積極的に行うよう促している。

ソーシャルメディアは、ホームレス達がお互いを助け合い、施設や自治体への依存から自立するきっかけになる

とWalshさんは信じているようだ。

現在でもWalshさんはツイートを続けており、彼女のTwitterアカウント(@padschicago)には5000人を超えるフォロアーがいる。また、地道なツイートや他のソーシャルメディア活動が功を奏し、彼女の「Kloutスコア」は50を超えているようだ。Kloutスコアとは、ソーシャルメディア上での影響力を示す指標で、一般の平均スコアは20前後だといわれている。

Twitterの可能性

WalshさんがこれほどまでにTwitterの人気者になれた理由は、一体なんだろう?やはり、コンテンツのオリジナリティとユニーク性、そして何よりも「コンスタントに続けられた」ということが大きいと思う。

実際に路上で寝泊りするホームレスの生の声は、そうそう聞けるものではない。いや、聞く機会はいくらでもあるが、現実にホームレスに出くわしても、誰も時間を割いて耳を傾けようとはしないだろう。ソーシャルネットワークだったからこそ、ユーザーたちは簡単に耳を傾けることができ、彼女に同情できたのだと思う。

不思議なもので、「デジタルな声」が「現実の声」以上に人々の心に届いたということだろう。もはや、実世界とバーチャル世界の間に境界線は存在しないのかもしれない。

最後にWalshさんはこう語った。

Twitterは、私達みんなのコミュニティーです。何か問題があればいつでもツイートすればいい。そこには誰かしら耳を傾けてくれる人がいます

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