20年前と現在の地球を比較、世界はどう変わった?環境変化の記録10項目

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リオデジャネイロで今週、「国連持続可能な開発会議 – リオプラス20」が開催されました。会議には、各国の代表や専門家ら4万5000人以上が集まり、世界の環境保全と経済成長を両立させる「グリーン経済」について議論が交わされました。

1992年に同じリオデジャネイロで開催された「地球サミット」から今年でちょうど20年、国連環境開発は一つの節目を迎えたわけですが、その間に世界環境はどんな風に変化してきたのでしょうか?

国連環境計画機関(UNEP)が2011年に作成したレポート「環境変化の記録(Keeping Track of Our Changing Environment)」から、特に目立った環境・経済の変化を10項目にまとめてみました。


■環境変化の記録10項目: 20年で世界はどう変わった?


1. インターネットとモバイル

まずは何といっても、「インターネット」と「携帯電話」の爆発的な普及と進化です。これほどまでの成長を、20年前に誰が予想できたでしょうか。

携帯電話の利用者数は、過去20年で2300万人から54億人に、インターネットの利用者数は1000万人から20億人以上にまで急増しました。

携帯・ネットの利用者数の推移: 青線が携帯、オレンジ線がネット

2. 人口の増加

世界の人口は、1992年から約15億人、26%増加しました。地域別で見ると、最も増加率が高かったのは西アジア(中東)で67%増加、次いでアフリカ(53%)、ラテンアメリカ(28%)の順番です。

一方で、人口増加率は、以前と比べ先進国・発展途上国共に、ゆるやかになりました。

以下の衛星写真は、中国珠江デルタ地域の発展の様子(左:1989年、右:2010年)。写真の地域の人口は、20年の間で約3倍の6000万人に膨れ上がっています(SEDAC調べ、2010年)。

3. メガシティの増加

1990年には10都市だった世界の「メガシティ」の数は、2010年には約2倍の21都市になりました。
(※国連統計局によると、メガシティの定義は、人口密度が連続する都市化地域である都市的集積地域の居住者が少なくとも1000万人を超える都市エリア)

国連の定義だと、世界最大のメガシティは、人口約3700万人の東京エリアです(東京都のみの人口ではなく、同じ都市的集積地域である横浜市など周辺都市の人口も加算されている)。この数字は、カナダの総人口を上回っています。

以下の表は、メガシティのランキング:

4. 二酸化炭素の排出量

人口・メガシティーの増加に合わせ、当然ながらCO2の排出量も増加しています。2008年度の二酸化炭素総排出量は300億トンにのぼり、92年の220億トンから36%上昇しました。

先進国での排出量増加率は8%、それに対し発展途上国では64%。近年の発展途上諸国の経済的成長がうかがえます。

5. 海の変化

大気中の二酸化炭素濃度が高くなったことによって、各地で「海の酸性化」が進んでいます。

専門家は、海水の酸性化が海洋生態系を狂わす恐れがあるとして、大きな懸念を抱いています。

また1992年以来、年間2.5ミリのペースで海面が上昇中(下図)。

海水温の上昇による熱膨張」、「北極、南極、グリーンランド海氷の溶解」などが主な原因とされています。以下の写真は、1991年9月と2010年9月の北極の氷量を比較したもの。20年でおよそ35%減少しました。

6. 森林の減少

近年、森林伐採のペースが徐々に衰えてきたとはいえ、1990年から2010年の間で、約3億ヘクタール(300万平方キロメートル)の森が消滅しています。300万平方キロメートルといえば、アルゼンチンの国土面積以上です。特に減少が目立つのは、南米とアフリカ。一方で、アジア、欧州、北米では、特に2000年以降、森林地帯が増えつつあります。

同じく、「マングローブ林」も徐々に減っています。マングローブ林とは、海岸で海水が進入するような場所に生育する森林のこと。非常に強いCO2吸収源で、通常の森林の3倍の吸収力を持っています。そんなマングローブ林も、1990年以来、3%ほど減少しました。

以下の衛星写真は、1985年と2010年のアマゾン熱帯雨林を比較したもの。熱帯雨林は25年間で、広範囲にわたり牧草地や農場へと変わりました。

7. 食糧は増えた、それでも足りない

世界の食糧生産量は、過去20年で45%増加しました。これは、人口の増加率(26%)を大きく上回るペースです。

また、肉類の消費量もコンスタントに上昇しています。1992年当時の「一人当たりの年間肉類消費量」は約34キログラム。それが2007年には、43キロにまで上昇しました。理由として、アジア、南米をはじめとする発展途上国での「所得の伸び」、「都会化」、「食生活の変化」などがあげられます。

食べ物の量が増えてきたとはいえ、世界では今でも約10億人が慢性的な飢餓に苦しんでいます。これを克服するには、さらなる農地拡大や食糧生産技術の発展が必要となります。

以下は、世界の飢餓状況を、5段階で色分けして表現した「ハンガーマップ」(WFP作成)。高い赤色に分類された国では、全人口の35パーセント以上もの人々が、栄養不足の状態に陥っています。

8. エネルギー消費量

「一人当たりのエネルギー消費量」は、2008年あたりまで少しずつ上昇していましたが(1992年から+5%)、世界的経済危機に突入し、2009年に減少(全体で-2.2%)。特に、先進国での消費量急落が目立ちました(以下グラフの緑線)。発展途上諸国の消費量も、2002年以来、常に大幅な上昇傾向にありましたが、ここ数年で少し落ち着き始めています(以下グラフの青線)。

発展途上国のエネルギー消費量が順調に伸びてきたとはいえ、先進国との格差は依然として大です。先進国の一人当たりのエネルギー消費量は、発展途上国の約12倍にあたります。

一人当たりのエネルギー消費量: 青線が途上国、緑線が先進国

以下の写真は、世界の電力使用状況を表すマップ。北半球と南半球の電力消費格差が一目瞭然です。広大なイメージのある北海道でさえ、世界各地と比較すると、ずば抜けて明るい。

9. グローバリゼーションと旅行・観光ビジネス

飛行機を利用する人の数は、過去20年で約2倍になり、2009年には、総乗客数が22億7000万人に達しました。同様に、空輸量も大幅な伸びをみせています。

赤が航空乗客数、青が航空輸送の総重量

1年間に各国に入国をした外国人の合計を表す「国際観光到着者数」は、1995年から2010年の間で90%の伸びを示しました。これらの数字は、まさにグローバリゼーションを象徴しています。

10. 女性の影響力

女性の政治的影響力も、過去20年で大幅に上がりました。1997年には4000人ほど(全体の12%)だった世界の女性国会議員の数は、2010年には8600人以上(全体の19%)にまで伸びています。

しかし、国連が掲げる「女性議員の比率30%」という目標には、まだまだ程遠いのも事実です。

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ソース: 「http://www.unep.org/geo/pdfs/keeping_track.pdf

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