元Google契約社員が明かす「業界で最も過酷な仕事」、インターネットの暗黒面を見続けること1年

Tweet about this on TwitterShare on FacebookShare on Google+Email this to someone

インターネット上の世にもおぞましいコンテンツを1年間見張り続けた元Google契約社員の体験談

元google契約社員の体験談

毎日、長時間デスクに座り、誰もが目を覆いたくなるような画像・映像をひたすら見続ける。私たちが普段何気なく利用するGoogleサービスの裏側で、精神をむしばまれる様な作業をこなしている人たちがいます。

<以下は、米ブログBuzz Feederのシリーズ「Tech Confessional」の一部を翻訳したものです>

とある企業の日当たりの良いカフェテリア。この平和な空間で、元Google契約社員の男性が、ネット上に存在しうる最もショッキングで醜悪なコンテンツに、どっぷりと浸りながら過ごした1年間について詳しく語ってくれた。

当時、彼に与えられた仕事は、Googleプロダクトにアップロードされる違法コンテンツをレビューするというもの。そこで彼が目にしたのは、「獣姦」「死姦」「人体損傷(流血、自殺、斬首)」「児童ポルノ」など、吐き気のするようなおぞましいものばかりだった。

「心に生々しい傷跡が残るような経験だった」と彼は語る:

大学卒業後、私はまず政治関連の仕事に就き、そこでソーシャル・メディアを担当していました。ある日、Googleのリクルーターが私のところに電話をかけてきてこう言うんです、「Googleで働きませんか?」。

ハイテク企業で働くなんて考えたこともありませんでしたが、リクルーターの人たちが「あなたにピッタリですよ」といろいろ説明してくれたので、私もその気になりました。

いざ契約社員としてGoogleで働き始めたときは、あまりの待遇の良さに驚きました。この待遇を楽しめないなどという人がいるとすれば、その人は大ウソつきでしょう。私は1日3食をGoogleのカフェテリアで済ませていました。必要なものは何でも与えてくれます。

大学を卒業したての新米という立場からすれば、身に余る思いでした。両親も、私が世界有数の大企業に勤めていることを誇りに思っていたようです。

仕事内容については、リクルーターから「繊細なコンテンツの処理」だと聞かされていました。正直なところ、情緒的支援なしにこんな仕事をやらされるなんて思ってもみませんでした。

私の業務で最も過酷だったのは、「児童ポルノ」コンテンツをレビューする作業でした。コンテンツを管理する企業にとって、児童ポルノはとても重大な問題です。こういったコンテンツに対しては、発見から24時間以内に削除して、連邦当局に報告しなければなりません。はっきり言って誰もやりたがらないような仕事です。

Googleプロダクトのいずれかに児童ポルノコンテンツがアップされれば、私がそれらのチェックを行っていました。画像が1日に1万5000枚くらいでしょうか。「Google検索」をはじめ、「Picasa」「Orkut」「Google画像検索」など、あらゆるプロダクトを見守ってきました。

私には、この“仕事”に関して話せる人が誰もいませんでした。自分の恋人にすら相談できませんでした。彼女にまで私の心の重荷を背負わせたくなかったからです。7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月と、常軌を逸したおぞましいコンテンツを毎日見続けました。自分では大丈夫だと思っていました。でも実は、私の心は暗闇にむしばまれていたのです。

photo by Robert Scoble, flickr

ある日Googleが、連邦局の職員を私のもとに寄こしました。私の精神状態を分析するためです。その時、ようやく私は「自分にはセラピーが必要なんだ」ということを認識しました。

彼女は、私にいくつかの写真をみせ(ロールシャッハ・テストのような感じで)、最初に頭に浮かんだことは何かと尋ねました。そこで私はこう答えたんです、「この写真はひどすぎるだろう!」。しかしそれは、普通の父親と子供の、何の変哲もない情景を表したものでした。

とうとう私はセラピーに通うことにしました。Googleは、1回目の診療代をカバーしてくれましたが、その後(雇用契約終了後)は自分で探して通うようにというだけでした。

私が正社員になれないという知らせを受けたのは、働き始めてから9ヶ月が過ぎたころ。私の上司も少し驚いてたような気がします。いったい何がダメだったのか、理由は聞かせてくれませんでした。

私と同じような経験をした人が、知り合いに何人もいます。私が働いていた当時、夜勤シフトでYouTubeコンテンツをレビューする係が3人いました。彼らは皆、「首切りや児童ポルノといった映像を毎日見続けることができるのなら正社員として雇用する」という約束をもらっていたといいます。

YouTubeのレビュープロセスは非常にプロアクティブです。担当者は、午後10時から翌朝8時まで、毎日机にしがみついて、すべての疑わしいコンテンツをレビューしなくてはなりません。私の友人は、この仕事のために1年を無駄にしてしまったと後悔しています。

こういったことは、誰も声を大にして語ろうとはしません。例えば、私と一緒に働いていたYouTubeコンテンツ担当の男。彼はGoogleで、あらゆる種類の「児童ポルノ」、あらゆる種類の「首切り」を目の当たりにしました。「アルカーイダ」から動画の投稿があれば、誰よりも先にその内容をチェックするのが彼の役目です。 一般の人が悲惨な光景を目にすることがないように。

しかし、彼もまた契約社員で、最終的には正社員になることはかないませんでした。もちろん理由は聞かされません。

彼の上司がリクルーターに電話をかけてこう尋ねました、「この契約社員たちがどんな仕事をやっているのかご存知ですか?」。答えは、ノーでした。彼らにとって契約社員とは、ただの「名前」であり「部署」でしかありません。

ソース: 「Tech Confessional

Image: 「Flickr – Robert Scoble

Top