「夢」にまつわる世界各地の伝説や神話7つ

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睡眠中に見る夢って一体何なんだろう、意味はあるのだろうか?きっと誰もが1度は考えたことがあるはず。

古くから人類にとって夢は、最も身近ながら、最も謎深い現象のひとつだとされてきました。遡ること紀元前5000年前のメソポタミア文明では、見た夢を粘土板などに記録していたと言われています。

それ以来、世界各地のあらゆる文化で、睡眠中の不思議な体験に対するさまざまな神話や言い伝えが生まれました。例えば…。


1.獏(バク)


獏photo:  Momotarou2012/Wikimedia

古くから日本で言い伝えられている「貘」。悪夢を食べて睡眠中の恐怖から人間を守ってくれる伝説上の動物で、14世紀ごろに中国から日本に伝わったとされる。

17世紀までには「熊の体、象の頭、犀の目、虎の手足」といった具合でキメラ風に描写されるようになり、獏が描かれた札や枕が縁起物として扱われていた。


2.ドリームキャッチャー


ドリームキャッチャーphoto: Media123

ドリームキャッチャーはアメリカ先住民の伝統的な魔除け。ベッドの上に掛けておくことで、悪い夢が網目によりフィルターされ、良い夢だけが運ばれてくるようになる。

昔々、アメリカ北部のスペリオル湖周辺にオジブワ族と呼ばれるアメリカインディアンがいた。言い伝えによると、オジブワ語でAsibikaashという蜘蛛女が部族の守り神だったという。 彼女は毎朝太陽を捕えて子供たちに光もたらすための小屋を建てた。彼女は蜘蛛なので、小屋は蜘蛛の巣の形。そこに付着した朝露が朝日を反射させ、光を捕まえる。

しかし時代の流れと共にオジブワ族が各地に散らばっていくと、彼女は部族全員をまとめて見守ることが出来なくなった。そこで守り神は蜘蛛の巣小屋を個々で作らせ、離れたオジブワ族の人たちを悪夢から守るようになった。それが「ドリームキャッチャー」の起源とされている。


3.モルペウス(Morpheus)


モルペウス

モルペウスはギリシア神話に伝わる「夢の神」。眠りの神であるヒュプノスの息子の一人で、人間の夢に入り、神のお告げを届ける力があるとされる。 モルペウスが最初に登場したのは、古代ローマの詩人オウィディウスによって書かれた『変身物語』(メタモルポーセース)。

夢の中では人間の形をしているが、本当は夢の世界を素早く行き来できる大きな黒い翼を持った悪魔のような姿をしている。数千人の兄弟の中から彼が神のメッセンジャーに選ばれた理由は、人間に化けるのが 誰よりも上手かったからだという。

古代では、神の真意を理解するため、オネイロスのメッセージを解き明かすことが重要とされていた。


4.ポベートール


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同じくギリシャ神話に登場する夢の神で、モルペウスとは兄弟。モルペウスが神意の配達人だったのに対して、ポベートールは悪夢をもたらす使者とされている。 ポベートール(phobetor)という名前はギリシャ語で「怖れられるもの」の意味。

夜になると、翼の生えた悪魔の姿で永遠の闇の世界から現れ、人間の夢を荒らしにくる。『変身物語』では、獣や鳥、蛇に姿を変えると描写されている。 ポベートールは夜の神ニュクスの息子であり、地下世界「エレボス」に暮らす夢の支配者オネイロイの一柱。


5.ブラウニー


ブラウニー

スコットランドのローランド地方に伝わる妖精/小人。寝ている間に部屋に入ってきて、雑用仕事などをやってくれる。日本の座敷童のような存在。

姿を見られることを嫌うため、人間が熟睡して夢をみはじめるころに現れる。食べ物を置いておくと、一生懸命働いてくれるらしい。ポリッジ(ミルク粥)が大好物だという。基本的にいい妖精。


6.メア(Mare)


メア

ゲルマン民族に伝わる悪霊。眠っている人間の胸の上に座り込んで、悪夢を見させる。金縛りの原因だともされた。英語のメア(Mare)は「nightmare(悪夢)」の語源。

クロアチアでは、メアは夜になると美しい女性に化けると信じられている。睡眠中の男のもとに現れ、長い年月をかけて生命力を吸い尽くす。他の文化ではゴブリンのような姿で描写されている。


7.サンドマン


サンドマン

北欧や中央ヨーロッパに伝わる眠りの妖精。子供たちの目に魔法の砂をふりかけ眠気を誘い、夢をみさせる。眠くて目がしょぼしょぼしたり、起きたときに目やにがついていたりするのは、サンドマンが訪れた証拠だと言われていた。

「睡魔に襲われる」の睡魔はサンドマンのこと。アンデルセンの童話『Ole Lukoje』にも登場している。

ソース:「ListVerse

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