過度のデスクワークやパソコンの使用など、長時間座り続ける習慣はとても体に悪いといわれている。座りっぱなしでいると筋肉が収縮しないため、足に血がたまり、体の血流が悪くなってしまうためだ。これが心血管病やメタボといった疾患につながると指摘する声が多い。
しかし、仕事上どうしようもないという場合が結構ある。そんな人に朗報。米インディアナ大学の研究チームによると、1時間ごとに5分間のウォーキングを行うだけで、座りっぱなしによって引き起こされる動脈への悪影響を簡単になくせるらしい。
5分歩けば内皮機能の低下を防げる
今回研究チームが行ったのは、12人の健康な男性を2つのグループに分けて長時間座らせ、血管内皮機能を比較するという実験。1つ目のグループには足を動かすことなくデスクに3時間座り続けてもらい、2つ目のグループには3時間の間に3回のウォーキング休憩を取らせたという。
ウォーキングは時速3.2kmのゆっくりとしたペースでトレッドミルを5分間歩くもので、実験開始から30分後、1時間半後、2時間半後に行われる。内皮機能の測定には、超音波診断装置を使ったFMD検査が用いられた。
その結果、3時間座り続けたグループは、実験前の数値と比べ、動脈の拡張率が50%ほど低下していたことが判明。反対に、ウォーキングを行ったグループでは、実験前と比べて血管内皮機能の低下がまったく見られなかったという。
実際のところ、仕事中に1時間毎の5分休憩をとってオフィスを歩き回るというのは少し難しい場合もあるが、せめて頻繁に椅子から立ち上がって、軽い腿上げ運動や屈伸をするだけでも効果があるはず。
ソース:「Neomatica」
Speak Your Mind