白人至上主義団体KKKの新グループ、有色人種や同性愛者にも門戸を開放?

クー・クラックス・クラン KKK

アメリカの差別主義者グループ「クー・クラックス・クラン」(KKK)の一部が、団体イメージの再開発に乗り出した様子。

KKKとは、黒人への集団リンチなど数々の残虐な差別犯罪を行ってきた白頭巾に白装束が特徴の白人至上主義団体。世間では最悪のヘイトグループと認識されており、2012年の時点でメンバーの数は5000~8000人とされている。そんな時代錯誤の嫌われ者集団の中で、白人至上主義の思想を捨てさろうと動き出したグループがいるらしい。

『インターナショナル・ビジネス・タイムズ』の記事によると、最近設立されたKKKの分派「ロッキー・マウンテン・ナイツ(Rocky Mountain Knights)」は、アングロサクソン系の白人だけでなく、黒人やヒスパニック、ユダヤ人、さらには同性愛者たちの入団も受け付ける姿勢を示しているという。

参加の条件は、18歳以上で米太平洋岸北西部に住んでいること。ロッキー・マウンテン・ナイツ創設者のジョン・アバーは新団体の方針について次のように語る:

「KKKはストロング・アメリカ(強いアメリカ)のためにある。白人至上主義は古いクラン。これは新しいクランだ」

アバーは米連邦政府が「世界統一政府」 の実現を画策していると信じており、新世界秩序(ニュー・ワールド・オーダー)の陰謀と戦うための人材を募集しているという。

クー・クラックス・クラン 1922年Photo: Library of Congress

現時点でロッキー・マウンテン・ナイツには何人のメンバーがいるのか明確ではないが、代表者は人種や宗教、性的指向による差別は行わないと宣言した。とはいえ、団体のメンバーになれば、例の頭巾と白装束を着て秘密の儀式に参加する義務があるという。

白人至上主義を捨てたとするJohn Abarrの主張に対して、現地の人権保護団体などは懐疑の目を向けている。もし本当に改心しているのならKKKを名乗る必要はないだろうとする指摘だ。

ロッキー・マウンテン・ナイツに対しては、組織内からも反発の声が上がっている。アメリカ最大のKKK派閥の一つ「ユナイテッド・クランズ・オブ・アメリカ」(UKA)でインペリアル・ウィザードを務めるブラッドリー・ジェンキンスは、アバーが掲げる脱白人至上主義の思想について次のように述べた:

「あの男の行動はすべてがKKK組織の定款に反している。政治家としてのキャリアを振興するためにKKKを盾に取っているのだろう」

ジョン・アバーは2011年、共和党から下院議員選挙への立候補を試みた。AP通信の報道によると、当時アバーが掲げていたマニフェストは、大麻の合法化、メンタルヘルスケアの強化、妊娠中絶賛成、死刑制度の廃止、そして白人人種の救済。オバマ大統領に対する世間からの反発で票が得られると予想したそうだが、思ったほどのサポートを得ることができず、選挙前に出馬を見送っている。

Image by Mike Fritcher Photography/Flickr

参考記事:「IBT

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