コロラド州銃乱射事件、容疑者ジェームズ・ホームズはどんな人間だったのか?

米コロラド州オーロラ市の映画館で起きた銃乱射事件。ガスマスクと防弾チョッキを身にまとったジェームズ・ホームズ(24)は、映画『バットマン』上映中の会場に裏口から侵入し、観客に向けて銃を乱射した。最終的に70名もの死傷者を出した、米国史上まれに見る凶悪銃撃事件だ。

警察は現地時間の21日、ホームズ容疑者が自宅アパートに仕掛けた爆発物を、およそ1日がかりで無事撤去したと発表。発見された爆発物は化学物質などが含まれており、非常に精巧なものであったという。

各メディアによると、ホームズ容疑者は大学院で博士号取得を目指していたインテリで、犯罪歴などもない。一体何が彼を悪魔のような殺戮行為に駆り立てたのだろう?

学業優秀、人付き合いが苦手
ジェームズ・ホームズ、6年前

ホームズ容疑者は、カリフォルニア州南部の都市サンディエゴで生まれ育った。高校時代は学業優秀で、同市のウェストビュー高校を特待生で卒業したらしいが、卒業式には参加していないという。どうやら当時から周囲とうまく馴染めない孤独な性格を持っていたようだ。

高校時代の同級生はホームズについて、「からかっても、ただ笑っているだけで何もしないようなやつだった」と語った(ABC News)。

高校卒業後、ホームズはカリフォルニア州リバーサイド大学で神経科学を専攻し、2010年に最優等で同学部の学士号を取得。そのまま学業に専念するべく、コロラド大学大学院の博士課程へと進んだ。事件があったコロラド州オーロラ市には2011年の秋に移り住んでいる。

順調に科学者への道を辿っているように思われたが、今年6月に入りホームズは突然、大学を自首退学する手続きを始めた。その理由は明らかではないが、すでにこの頃ホームズの頭には、大量殺人の計画が立てられていたようだ。

オンラインプロフィールもほぼゼロ

ホームズは今どきの若者としては珍しく、FacebookやTwitterといったソーシャルネットワークを利用していた形成がない。そんな彼が登録していた数少ないソーシャルアカウントの1つが、出会い系サイト「Adult Friend Finder」だ。

TMZ.comによると、7月5日に作成された彼のプロフィールには、「刑務所まで会いに来てくれますか?」という意味深なメッセージが記されていたという。

image via TMZ.com
数ヶ月前から犯行を計画

警察は、ホームズが数ヶ月前から大量の武器や銃弾を収集していたとし、事件は計画的犯行だったとみている。

ホームズは、2ヶ月前にオーロラ市内の銃器販売店で最初の拳銃を購入し、それから数週間で、犯行に使用したショットガンやアサルトライフル(AR-15)を複数の店舗から入手した。警察によると、ホームズには犯罪歴がなかったため(過去に1度の交通違反のみ)、銃器購入のための許可が簡単に下りたのだという。

さらに、犯行の際に着用した防弾ベストとガスマスク、6000発以上の弾丸などをインターネットから購入していた。

AR-15:犯行に使用されたものと類似タイプ – wikipedia

現在ホームズ容疑者は留置所に拘束されており、現地時間23日の朝に出廷する予定だ。

ソース:「ABC News」、「Washington Post

Top