アメリカが分裂!?米30州の市民が合衆国からの独立を求める請願書を政府に提出

多くの市民が合衆国からの独立を求める請願書を政府に提出

14日までにアメリカで、「合衆国からの独立を求める請願書」が、ルイジアナ、テキサス州をはじめとする複数の州の住民たちによりホワイトハウスに提出され、大きな物議を醸している。

請願書は「平和的に州を合衆国から離脱させろ。独立政府を建設させろ」と要求するもの。現時点で請願書が提出された州は30以上にのぼる。

一体どれほどの数の市民が、アメリカから独立したいと本気で考えているのだろうか?米大統領選が終了して間もなくのことでもあり、おそらく熱狂的な共和党支持者たちのオーバーリアクションだと思われる一方で、いくつかの州では着々と署名が集まっている。

とにかく、これらの請願書が政府に取り上げられるためには、提出から30日以内に2万5000件の署名を集めなくてはならない。

テキサスの請願書は以下のような内容:

政府が国内外支出に関する改革を怠ってきたため、合衆国は経済的な苦境に陥っている。また国民は、NDAA(国防権限法)やTSA(運輸保安局)などの制度により、あからさまな人権侵害に苦しんでいる。テキサス州は健全な財政状況と世界で15番目の経済規模を有している。このことを考慮すると、同州が連邦から脱退することは十分に可能であり、これが市民の生活基準を守ることでもある。また、今では政府によって蔑にされている、アメリカ建国の父たちの思想と信念に基づいた権利と自由を再保証することができるようになる

また、アーカンソー州の請願書には次のようにある:

『1776年独立宣言』の中で、合衆国建国の父たちはこのように記している:

人の営みにおいて、ある国民と他の国民を結びつけてきた政治的なつながりを解消し、自然の法や自然の神の法によってその資格を与えられている独立した対等の立場を世界各国のうちに得ることが必要となるときがあるだろう。その際に、人類の意見をしかるべく尊重するならば、その人民をして分離へと駆り立てた原因を宣言することが必要とされるだろう…

…政府は国民のあいだに打ち立てられ、統治されるものの同意がその正当な力の根源となる。そしていかなる政府といえどもその目的に反するときには、それを改めまたは廃止し,新たな政府を設立し,人民にとってその安全と幸福をもたらすのに最もふさわしいと思える仕方でその政府の基礎を据え、その権力を組織することは、人民の権利である…

14日の時点で、テキサス州の請願書には10万件、アーカンソー州には2万件以上の賛成署名が寄せられている。その一方で、署名が1000件にも届いていない州もいくつかある。

果たして各州の独立などということはありえるのかという問題だが、『ダラス・モーニングニュース』紙によると、最も署名が集まっているテキサス州のリック・ペリー知事は、請願書から距離を置こうとしているようだ。

ペリー知事の秘書がダラス・モーニングに送ったメッセージには、「知事は合衆国の偉大さを信じており、それを変えてしまうような行動を取るべきではないと考えている。しかし一方で、多くの国民が現政府に対し感じている失望感も理解している」とある。

「合衆国からの独立」に対するネット民の反応

このニュースを受け、米国のネット上ではさまざまな意見が飛び交っている。「テキサスにはアメリカなんて必要ない」「悲しいけど私は脱退をサポートする」「おれも署名してくる」といった請願書を支持するコメントもあるが、やはり否定的な意見が多い。

  • 「支持する政党が負けたからといってこんなことをするのは、愛国心でもなんでもない」
  • 「確かにテキサスはオイルで裕福だ。でも仮に独立したとして、資源を全部持ってけると思ってるのか?オフショアのオイルはテキサスのものじゃない。アメリカ合衆国のものだからな」
  • 「10歳のガキがおもちゃをかばんに詰めて家出するのと同じだな。夕食時になったら泣きながら帰って来るんだろ」

「こんな奴らは国外追放にすべき」といった厳しい意見もかなりみられる。実際に、「独立のための請願書に署名した人の市民権を剥奪しよう」という請願書までホワイトハウスに提出され、現時点で1万2000件の署名を集めるに至った。

ちなみに今回の「合衆国からの独立を求める請願書」は、各州の公的機関がバックアップしているものではなく、あくまでも住民たちの主導のもと行われている。現在、嘆願書が提出されているのは以下の州:

アラバマ州、アラスカ州、アリゾナ州、アーカンソー州、カリフォルニア州、コロラド州、デラウェア州、フロリダ州、ジョージア州、アイダホ州、イリノイ州、インディアナ州、カンザス州、ケンタッキー州、ルイジアナ州、ミシガン州、ミネソタ州、ミシシッピ州、ミズーリ州、モンタナ州、ネブラスカ州、ニューハンプシャー州、ニュージャージー州、ニューメキシコ州、ニューヨーク州、ネバダ州、ノースカロライナ州、ノースダコタ州、オハイオ州、オクラホマ州、オレゴン州、ペンシルベニア州、ロードアイランド州、サウスカロライナ州、サウスダコタ州、テネシー州、テキサス州、ユタ州、バージニア州、ウェストバージニア州、ウィスコンシン州、ワイオミング州

 

参考記事:「www.huffingtonpost.com」、「Dallas Morning News

Image: by kaioshin via Flickr

Comments

  1. プリティフライ says:

    さすがにこれは認められないだろう。でも面白くはある。
    日本でも九州や四国が独立すればいいのに

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