【皮肉】米マクドナルド、ファーストフード店の低賃金だけでは生活できないことを遠回しに示唆

マクドナルド 低賃金職1

米マクドナルドは最近、VISAと共同で「Practical Money Skills(実用的なマネースキル)」なるオンラインパンフレットを公開した。マクドナルドの従業員に向けた“家計簿ガイドブック”のようなものだ。

表紙には、「賢いお金の貯め方、使い方を学ぼう。お金の出先を知ろう」とある。少ない給料で上手にやりくりする方法を教えるポジティブな企画になるはずだったが、制作側の考慮がやや足りなかったのか。皮肉にも、マクドナルドの低賃金だけでは生活が厳しいという現実を強調する形となってしまった。

パンフレットの中で従業員の収支をシミュレートしているのだが、これがいろいろおかしいと海外のネット上で話題になっている。

▼via practicalmoneyskills.com
マクドナルド 家計簿

一体どこがおかしいのか?まず副業を前提にしている時点でおかしい。

1番上の$1,105という金額は、時給$7.70~$8.00ドル(米マクドナルドの平均最低賃金)で週35~40時間働いた場合の手取り(税金後)を表している。実家暮らしならまだしも、ひとり暮らしをする場合、これだけでやっていくのはやや厳しい。

よって上の例では副業が前提になっているのだが、副業も同じくらいの時給だと考えると、$995ドル稼ぐにはさらに週30時間以上の労働が必要となる。週1回休み、1日11時間以上働いたとして、ようやくやりくりできるようになるというわけだ。

出費の項目にもおかしなところがいくつかある。家賃、車両/住宅保険、電話代などは相応の金額だが、「暖房費」がゼロ…。アメリカで医療保険が毎月20ドルというのも安すぎる。また「車の経費」にローン代や維持費、ガソリン代が含まれているとすれば、150ドルではおそらく足りないはず。

冬に暖房をつけないほどギリギリまで切り詰め、毎月100ドルの貯金。「そうすれば食費/お小遣いとして1日27ドルを自由に使えますよ」という計算だ。

パンフレットの最後には「財政的な成功を支援することは、充実したやりがいのある職場環境づくりの一環です」とあるが、副職無しでは食っていけないようなシュミレーションをしておいて“やりがいのある職場”って…。

ちなみに、昨年のマクドナルドCEOの年収は875万ドルと伝えられている。

Thumbnail by Editor via Flickr

参考記事:「thestranger.com

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