ハッカー集団「アノニマス」が、YouTubeで再びSonyへのサイバー攻撃を宣言した。アノニマスのメンバーと思われる、ユーザー名「TheAnonMessage」が投稿した動画によると、今回の攻撃の理由は、Sonyが著作権保護法案「Stop Online Piracy Act (SOPA)」を支持しているからだという。
SOPAとは、現在アメリカで最も議論の的となっている法案のひとつだ。もし可決されれば、米政府は海賊サイトへのアクセスをブロックする権限を持つことになる(詳しくは、「SOPAとは?」を参照してください)。
この法案には、言論の自由擁護者や、GoogleやFacebookをはじめとするIT業界から激しい批判の声が上がっている。反対派の懸念するところは、SOPAの不透明性で、法案の適応範囲が非常に曖昧だという点だ。見方によっては、ユーザーが著作権物を不正投稿したという理由で、YouTubeのようなサイトも規制の対象となる可能性がある。
ご存知の通りSonyは、映画や楽曲、ゲームなどを提供する大手コンテンツ提供者でもあり、海賊行為にはいつも悩まされている。それが、SonyがSOPAを支持する理由だ。今年4月にも、Sonyのプレイステーション・ネットワークは、アノニマスからDDos攻撃を受け、一時接続不能の事態に陥っている。多くのPSN利用者が被害を受け、ネット上にはアノニマスに対する批判の声が相次いだ。
Sony再攻撃が本当に行われるかどうかは、今のところ定かではない。アノニマスにはリーダーや命令系統が存在せず、世界中に散らばったメンバー同士の”横のつながり”により成り立っている。よって、計画が遂行されるか否かは、他のアノニマスメンバーからどれだけ支持を集め、協力を得られるかに掛かっている。
今のところ(12月30日)、YouTubeにアップロードされた動画のみが、正式に発表された攻撃予告だ。これが、Twitterやブログなど他のプラットフォーム上でもみられるようになれば、他のメンバーの支持を集めているということであり、計画が実現する可能性は高くなる。
[youtube http://www.youtube.com/watch?v=WjOPXpd9PSU]
SOPA法案やそれを支持する企業を批判するのは個人の自由だ。しかし、アノニマスは、前回のSony攻撃からも伺えるように、無関係のユーザーにまで被害が及ぶことも辞さない姿勢である。問題の動画の中でアノニマスは、ジャスティン・ビーバーやレディ・ガガへのサイバー攻撃も予告。その理由はSonyと同様、2人がSOPAを支持しているからだ。どんな展開になるにせよ、PSNを利用している人は、しばらくの間注意した方がよさそうだ。
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